奈良名所巡り 奈良公園・東大寺・若草山

お蔵入りになった奈良名所巡りの日記です。当日、六本木君と福井の東尋坊でも行こうかと喋っていました。京都駅に集合したのですが、雨雲が北陸に集中しており、急遽奈良名所巡りをすることになりました。

京都駅までの電車内では、でっかいボードを持った女性が目に入ってきました。そのボードには、イルカが水族館で飼われていて可哀想、やりたくもないショーをやらされ、狭いプールに閉じ込められていているから、みんなで水族館のチケットを買うのをやめて、イルカを海に帰してあげようというものでした。

京都駅で六本木君と合流し、奈良へ向かいます。奈良公園では名物の鹿たちに囲まれ、鹿せんべいを貪られながら楽しみました。寄生獣という往年の名作コミックの中に、寄生生物であるミギーが「私は恥ずかしげもなく地球のために、と言う人間が嫌いだ」というシーンがあります。人間がどれだけ地球環境を汚染しようが、地球の知ったことではないし、結局困るのは人間に他ならないからです。

この鹿にマイクの線を嚙みちぎられました

奈良公園の奥には若草山登山口があり、鹿せんべい売り場が近くにないので、山の中に住んでいる鹿たちは、地面の草を食んでいます。野山を駆け巡る鹿の姿は、若草山の大いなる自然を背景に神々しさすら覚えるほどでした。対して奈良公園の鹿たちは観光客にせんべいを与えられ、匂いを嗅ぎつけては服をヨダレでべとべとにしてきます。若草山の鹿とは対照的に、これではまるで畜生も同然です。

大自然の中をたくましく生きる鹿

さて、イルカは水族館で何を思うのでしょうか。案外、「人間たちを笑顔にして食う飯はウマい」とか、「仕事の後の飼育員からの餌(サラリー)は最高だぜ」とか「海の水は冷たいし危ないし、飯も出てこないし二度と帰りたくねえ」とかそんなことを思っているかもしれません。少なくとも電車の中の活動家の彼女は、水族館のイルカさんたちに聞き取り調査を行い、大多数の意見を代弁しているわけではないでしょう。

奈良公園の鹿たちの野生の矜持はとうに失われ―――若草山の山中に来てくれるウーバータクシーを求め、セブンイレブン若草山山頂店を探し、出前館がドローンでピザを運んでくることを自分は望んでいて。僕は奈良公園の鹿たちにこそ、本来あるべき生物の姿を見たのでした。

奈良公園内では、一番の見どころである東大寺も見てきました。金剛力士像に出迎えられ、15mにもなる大仏像を納める東大寺は圧巻の一言です。人類の叡智の粋を尽くした建築技法の数々に溜息がもれました。そして東大寺の中に場違いに設置された記念メダルに文字を彫って、正倉院へと向かったのでした。(終わりです、正倉院の感想はありません)

とても大きかったです

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